旬の特集
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文書作成日:2021/07/22

 男性の育児休業の取得促進を中心とした改正育児・介護休業法が国会で成立し、2022年4月から3回に分けて施行されることになりました。今回はその改正内容のポイントをとり上げましょう。

 男性の育児休業の取得を促進するために、子どもの出生直後の時期において柔軟に取得することができる新しい育児休業の制度が創設されます。新制度は「出生時育児休業」と呼ばれ、子どもの出生後8週間以内において4週間まで取得できるものです。申出期限は原則、休業の2週間前までとなっており、2回に分割して取得することができます。
 その他、労使協定を締結することにより、会社と従業員が合意した一定の範囲で出生時育児休業中に働くことができる仕組みが盛り込まれています。
 施行は、公布日である2021年6月9日から1年6ヶ月以内の政令で定める日です。

 育児休業を取得しやすい雇用環境を整備するため、育児休業等に関する研修や相談窓口の設置等を行うことが会社に義務付けられます。また、現在は努力義務となっている妊娠・出産の申出をした従業員に対する育児休業等の制度に関する個別周知や取得に関する意向確認の措置も義務化されます。
 施行は、2022年4月1日です。

 現時点の育児・介護休業法では、原則として育児休業を分割して取得することはできません。これについて改正後は2回に分割して取得することができるようになります。なお、1の出生時育児休業は、子どもが1歳に達するまでの育休とは別に考えることから、出生時育児休業で2回、子どもが1歳に達するまでの育児休業で2回の育児休業を取得することができることになります。
 育児休業は、子どもが1歳に達するまで取得することができますが、1歳に達する時点で保育所に入ることができない等の事情があるときは1歳6ヶ月に達するまで延長することができ、1歳6ヶ月に達する時点で保育所に入ることができない等の事情があるときは2歳に達するまで再延長することができます。この延長や再延長の開始日は従来、1歳または1歳6ヶ月に達した日に限られていましたが、開始日を柔軟化することにより、延長や再延長の期間の途中に夫婦交代で育児休業を取れるような仕組みになります。
 施行は、公布日である2021年6月9日から1年6ヶ月以内の政令で定める日です。

 有期雇用労働者が育児休業や介護休業を取得しようとするときは、引き続き雇用された期間が1年以上であることが求められます。この取得要件が撤廃され、有期雇用労働者がより育児休業や介護休業を取得しやすい環境となります。なお、育児休業には「子どもが1歳6ヶ月に達する日までに、雇用契約の期間が満了することが明らかでないこと」、介護休業には「介護休業開始予定日から93日経過する日から6ヶ月を経過する日までに、雇用契約の期間が満了することが明らかでないこと」という要件がありますが、この要件の変更はありません。
 また、現時点において労使協定を締結することにより、引き続き雇用された期間が1年未満の従業員は育児休業や介護休業の申出を拒否することができますが、有期雇用労働者をこの対象者に含めることができます。
 施行は、2022年4月1日です。

 従業員数が1,000人を超える会社は、育児休業等の取得の状況を公表することが義務付けられます。公表内容は、男性の育児休業等の取得率または育児休業等と育児目的休暇の取得率となる予定であり、2023年4月1日に施行されます。

  今回の改正は、就業規則(育児・介護休業規程等)の変更が必要なほか、研修や相談窓口の設置等、実施方法や担当者の決定など検討すべき内容が含まれています。雇用保険や社会保険の制度も改正されるため、今後公表される詳細な内容も確認し、対応に不備がないよう進めましょう。

■参考リンク
厚生労働省「育児・介護休業法について」
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html

※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

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